住宅ローンは変動?固定?
金利が動き出した今、後悔しないために知っておきたい本当の考え方
「住宅ローンは変動金利が当たり前」
ここ数年、そんな空気が広がっていました。
しかし今、その前提が少しずつ変わり始めています。
きっかけは、日本銀行による政策金利の引き上げです。
日銀は金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げ、0.75%程度としました。
私たちの暮らしに直結する住宅ローン金利が、いよいよ“動く時代”に入ったと言えます。
これから家を建てる人・買う人にとって、
「変動金利か、固定金利か」は避けて通れないテーマです。
金利はこれからどうなるのか

専門家の間では、
「政策金利は今後1年に0.5%ずつ引き上げられ、2年後に1.5%程度になる」
という見通しも出ています。
この流れが続いた場合、
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変動金利:現在年0.6%前後 → 将来的に1.5〜1.6%程度
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全期間固定金利:年3%前後
になる可能性もあります。
ただし、ここで重要なのは
金利の予測を当てることではありません。
将来の金利は、専門家でも正確に読むことはできません。
本当に大切なのは、
👉 金利が上がったとき、自分たちの家計が耐えられるかどうか
です。
変動金利を選ぶなら「家計管理」が前提

ニッセイ基礎研究所の福本勇樹氏は、
変動金利について次のように指摘しています。
家計管理がしっかりできていれば、変動型を選ぶこと自体は問題ない。 ただし、金利上昇時に繰り上げ返済などの対応ができる準備が必要。
※日経新聞より抜粋
変動金利が向いているのは、
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家計の収支を把握できている
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住宅ローンとは別に一定の貯蓄がある
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収入増や繰り上げ返済の余地がある
といったケースです。
目安になるのは、
固定金利で借りた場合との差額分を、きちんと貯められるかどうか。
この余力があってこそ、
変動金利の「低金利メリット」は活きてきます。
固定金利は「安心を買う」選択

一方で、ファイナンシャルプランナーの高山一恵氏は、
固定金利についてこう話しています。
変動か固定かは、どちらが得かではなく 家計の状況に合っているかで判断すべき。
※日経新聞より抜粋
固定金利が向いているのは、
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家計管理に不安がある
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収入が今後大きく増える見込みがない
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教育費や老後資金の支出が見えている
といったケースです。
毎月の返済額が確定していることで、
👉 生活設計が立てやすく、精神的な安心につながる
という大きなメリットがあります。
見落としがちな「65歳時点のローン残高」
特に40代以降で住宅を購入する場合、
定年時にローンがどれだけ残っているかは非常に重要です。
退職後の収入や年金額を考えると、
ローン残高が多い状態は老後の家計を圧迫しかねません。
「今払えるか」ではなく、
👉 将来も無理なく払えるか
という視点での判断が欠かせません。
変動か固定か、正解は一つではない

住宅ローンに絶対的な正解はありません。
変動が向いている人もいれば、固定が安心な人もいます。
だからこそ重要なのは、
自分たちの家計・将来設計に合っているかどうか。
実際、
「考え方は分かったけれど、結局うちはどっち?」
と迷う方はとても多いです。
そこで現在、弊社では
住宅ローン相談会を開催しています。
変動と固定の違いだけでなく、
金利が上がった場合の影響や、
将来の返済バランスを家計目線で整理する相談会です。
まだ家づくりを決めていない段階でも、
「今のうちに整理しておきたい」という参加も歓迎しています。
家づくりと住宅ローンは切り離せない
住宅ローンの不安は、そのまま家づくりの不安につながります。
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この金額で本当に大丈夫か
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将来、家計が苦しくならないか
こうした疑問を解消しないまま進めると、
完成後も不安を抱えたままの暮らしになりかねません。
金利が動き始めた今こそ、
住宅ローンを「金利」だけでなく
暮らし全体の設計として考えることが大切です。
まとめ|金利が動く今だからこそ、立ち止まって考える
これからの住宅ローン選びは、
「なんとなく変動」「周りがそうだから」では通用しません。
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家計の余力
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将来の支出
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万一への備え
これらを踏まえて選んだ住宅ローンは、
家づくりを安心できるものに変えてくれます。
金利が動き始めた“今”だからこそ、
一度立ち止まって、
自分たちに合った住宅ローンを考えてみてください。