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住宅資金の贈与税非課税制度とは?親から支援を受ける前に知っておくべき注意点

2025.05.01

「親から住宅資金の援助を受けると、贈与税がかかるのでは?」

そんな不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

実は、一定の条件を満たせば「住宅取得資金の贈与」は非課税になる特例があるのです。

今回は、家づくりを検討している20~40代の子育て世帯や夫婦に向けて、2025年版の「住宅資金贈与の非課税制度」について、詳しく解説します。

後悔しない家づくりのために、親からの援助を最大限に活かすポイントを一緒に学んでいきましょう。


1|住宅取得資金の贈与とは?

「住宅取得資金の贈与」とは、父母や祖父母など直系尊属から住宅購入や新築・リフォームの資金援助を受けた場合に、そのお金に対して贈与税がかかるのか、という問題です。

通常、年間110万円を超える贈与を受けると、贈与税の申告・納税が必要になりますが、住宅資金の贈与については、特例的に最大1,000万円まで非課税になる制度があります。

この制度は「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」と呼ばれ、多くの家庭が利用して家づくりの資金計画を組み立てています。


2|非課税枠はいくら?

2025年時点の非課税枠は以下の通りです(国土交通省・財務省資料より)。

用途 省エネ住宅 一般住宅
非課税限度額 1,000万円 500万円

ここでいう省エネ住宅とは、断熱性能や一次エネルギー消費量などに基準がある住宅(長期優良住宅やZEHなど)を指します。

弊社のような「高気密・高断熱住宅」を提供する会社であれば、非課税枠の上限1,000万円を利用できるケースも多いため、施工会社に確認しておきましょう。


3|非課税になるための主な条件

この制度を使うには、いくつかの条件があります。知らないと「せっかくの援助が課税対象に…」なんてことも。以下のポイントは必ず押さえておきましょう。

✅ 贈与を受ける人の条件

✅ 贈与する人の条件

✅ 住宅の条件

この“住み始める期限”も意外と見落としがちなので、引き渡しのタイミングと一緒に計画を立てることが重要です。


4|非課税を使うための手続き

制度を使うためには、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までに贈与税の申告を行う必要があります。

「非課税なら申告しなくていいのでは?」と思われがちですが、非課税を受けるための申告が必要です。

ここを忘れてしまうと、課税されてしまうので要注意。

【必要な書類の例】

専門家や税理士に依頼することもできますが、最近は国税庁のサイトから電子申告も可能になってきているため、活用するのも手です。


5|贈与か?住宅ローンか?のバランスがカギ

住宅資金の援助はとてもありがたいことですが、全額親の援助に頼ると住宅ローン控除が使えない場合があるため注意が必要です。

たとえば、住宅ローン控除(2025年版)では、一定の条件下で年間最大21万円×13年間=273万円の税額控除を受けられます。

つまり、贈与を活かしつつ、住宅ローンも一定額利用することで、非課税制度+住宅ローン控除の“二重取り”が可能になるのです。

私たちFPや建築家は、これらの制度をうまく組み合わせて「最もお得な家づくりの資金計画」を提案することを意識しています。


6|よくあるQ&A

Q. 現金を子どもの口座に振り込むだけでOK?

A. いいえ。贈与契約書の作成が必須です。曖昧なままだと、後から「名義預金」と判断される可能性もあります。

Q. 土地の購入も非課税の対象になる?

A. なります。ただし、家を建てて住むことが前提です。「とりあえず土地だけ」は対象外です。

Q. おじ・おば・兄弟からの贈与は使えないの?

A. 使えません。直系尊属(父母・祖父母)からの贈与に限ります。


7|建築家から見た「親の援助を活かす家づくり」

金銭的な援助があると、通常では手が届かない仕様や間取りの選択肢が増えます。

たとえば、

など、家の価値そのものを長く高める投資ができるのです。

私のおすすめは、「生活の質が上がるポイントにだけ、少し背伸びしてみる」こと。

親の援助で生まれた“余白”は、将来後悔しない家づくりの鍵になります。


まとめ|制度を知って、後悔のない家づくりを

住宅資金の贈与は、うまく使えば数百万円の節税になる制度です。

ですが、条件を知らずに進めると、思わぬ課税やトラブルにつながる可能性も。

建てる前のこのタイミングで、親としっかり話し合い、制度の利用を前提に資金計画を設計することが、理想の住まいづくりの第一歩です。

家は「買う」ものではなく、「つくる」もの。

知識と工夫で、賢く、そして幸せな家づくりを叶えていきましょう。